エステサロン開業の手順|必要な準備・資金や失敗を防ぐポイントを解説
エステサロンを開業しようと思っても、何から手を付けたら良いのか、またどのような準備が必要なのか戸惑う人もいるのではないでしょうか。
本記事では初めてエステサロンを開業する人向けに、エステサロン開業のステップや必要な資金、またエステサロン開業で失敗しないためのポイントを解説します。
目次
エステサロン開業の準備期間にやること
エステサロンを開業するためには、以下のような準備が必要です。
- 資金調達
- 事業計画・コンセプト作成
- 店舗探し
- メニュー設定
- 競合調査
- 機材準備
- スタッフの採用・研修
実店舗を構える場合、準備には最短でも半年ほどの期間がかかります。一年以上かけて準備することも珍しくありません。
ただし、自宅の一部を改装してサロンにする場合やオンラインサロンの場合は、店舗を探したり借りたりする必要がないため準備期間を短縮できることもあります。
エステサロン開業に必要な資格・条件
エステサロンの開業そのものに特別な資格は必要ありません。税務署に開業届を提出する必要はありますが、保健所への届出も基本的に不要です。
しかし、エステ関係の資格があれば顧客からの信頼を獲得しやすくなるでしょう。また、専門の資格がないと提供できない施術メニューもあります。
ここでは、エステの知識や技術を証明できる資格や、特定のメニュー提供に必要な資格を紹介します。
エステの知識・技術を証明できる資格
例えば、以下のような資格があれば、エステに関する知識や技術の裏付けになるでしょう。
- AJESTHE認定エステティシャン
- エステに関する基本的な知識・技術を持つことを証明する資格。
- AJESTHE認定上級エステティシャン
- エステに関する専門的な知識・技術に加え、顧客のニーズに合わせたサービスによってサロンや顧客に貢献する能力を持つことを証明する資格。
- AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー
- エステについて深く総合的に理解し、顧客のニーズを満たす施術の提供だけでなく、サロンにおいて指導的な立場になる能力を持つことを証明する資格。
特定のメニュー提供に必要な資格
一例として、以下のようなメニューを提供する場合は資格が必要です。
メニュー | 必要資格 |
---|---|
まつげパーマ | 美容師 |
まつげエクステ | 美容師 |
シェービング | 理容師 |
美容鍼灸 | はり師・きゅう師 |
施術メニューによっては、開業届だけでなく保健所への届け出が必要になる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。例えば、まつげパーマ・まつげエクステは「美容所」、シェービングは「理容所」といった届け出が必要です。
エステサロン開業までの7ステップ
エステサロンを開業するまでの手順を、7つのステップに分けて解説します。
1.事業計画の作成
まずはサロンのコンセプトやターゲットを決め、資金計画や収支計画も含めた事業計画書を作成しましょう。
事業計画書はサロン経営の指針となるだけでなく、資金の融資を受ける際や助成金・補助金を申請する際にも提出が求められます。事業計画書には説得力を持たせることが重要です。抽象的な表現は避けて具体的な数字や簡潔でわかりやすい文章を使用し、第三者が見ても納得できる事業計画を作りましょう。
2.資金調達
事業計画が策定できれば、エステサロン開業に必要な資金の金額が決まります。開業資金が自己資金だけで賄えない場合、足りない資金の調達方法を検討しましょう。資金調達方法には、以下のような手段が考えられます。
- 金融機関からの融資
- 日本政策金融公庫からの融資
- 親族・知人からの融資
- 補助金や助成金の活用
3.店舗となる物件探し
店舗を借りる場合は予算だけでなく、立地や外観、内装など、サロンのコンセプトやメインターゲットに合致した物件を選ぶことが重要です。店舗用の物件ではなくマンションの一室を店舗として使用したい場合、商業利用が可能かどうか事前にオーナーに確認しておきましょう。
開業費用やランニングコストを抑えたい場合は、自宅の一部を改装してサロンにする方法もあります。また、オンラインサロンなど店舗が不要な業態もあります。
4.店舗のインフラ整備や内装工事
店舗となる物件を用意できたら、電気や水道、インターネットなどのインフラ整備や、内装工事を行いましょう。
内装のポイントとしては見た目のきれいさだけでなく、スタッフの動線や顧客の快適性も重要です。内装工事には数か月ほどかかる場合もあるため、機材の搬入スケジュールなども加味して計画的に準備を進めましょう。
5.機材や消耗品の準備・調達
必要機材や物品はサロンで提供するサービス内容によって異なります。ここでは一般的なエステサロンで必要となる機材や物品を紹介します。
大型の機材や什器
大型機器や什器では、以下のような備品が必要となります。
- 施術用ベッド
- スツール
- ワゴン
- エステ機器
- タオルウォーマー・タオルクーラー
- 消毒用の衛生機器
など
小型の備品や消耗品類
以下のような小型の備品や消耗品類も忘れず準備しましょう。
- タオル・シーツ
- 着替え(ガウンなど)
- スリッパ
- 化粧品
- カウンセリングシート
- 領収書
- 掃除用品
など
6.そのほかの営業準備
スタッフを雇用する場合、店舗準備と並行して採用や研修を行いましょう。接客の流れをマニュアル化しておけばスムーズに顧客に対応でき、スタッフによるサービスの質のムラも抑えられます。
集客のため、ホームページやチラシの作成など、より多くの顧客に来てもらえるような広告活動も必要です。
また、エステサロンの成功には売上管理が不可欠です。決済や売上管理のためのツール導入も検討しましょう。
7.届出
個人事業主の場合、事業所を管轄する税務署に「個人事業の開業届出(開業届出書)」を提出しましょう。期限は開業した日から1か月以内です。
法人化する場合は、設立届などの書類を提出する必要があります。具体的な必要書類は自治体によって異なるため、市区町村のホームページなどで確認しましょう。
また、施術メニューによっては保健所への届出が必要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
エステサロン開業に必要な資金の目安
エステサロンの形態によって、開業に必要となる資金の目安は異なります。
- 自宅の一部を改装して開業する場合:20〜100万円程度
- マンションの一室を借りて開業する場合:150〜200万円程度
- 店舗用の物件を借りる場合:200〜600万円程度
エステサロンの経営に必要な資金は初期費用だけでなく、月々の店舗の賃料や消耗品費などのランニングコストも忘れてはなりません。集客が安定してくるまでの資金繰りに困らないよう、半年分程度の運用資金を事前に用意できると安心です。
エステサロン開業で活用できる補助金・助成金
エステサロン開業資金の調達方法は金融機関などからの融資だけでなく、国や自治体の補助金や助成金が利用できる場合もあります。補助金・助成金にはそれぞれ募集期間や受給の条件がありますが、融資と異なり返済の必要がない点が大きなメリットです。
例えば、以下のような補助金・助成金が利用できないか検討してみましょう。
エステサロンは短期間での廃業も多い
エステサロン開業には専門資格が必要なく、資金も比較的少額で済みます。しかし開業しやすい分、廃業するサロンも多いのが実態です。エステサロンのほとんどは10年以内に廃業するといわれており、一年以内に廃業してしまうサロンも決して珍しくありません。
よくある失敗の原因は、集客力やスキルの不足、コンセプトのミスマッチなどです。価格競争が上手くいかず売上が右肩下がりとなり、利益が確保できなくなるケースもあります。
失敗しないエステサロンを開業するためのポイント
せっかく開業したエステサロンを失敗させないため、4つのポイントを押さえておきましょう。
1.利益率を確保する
エステサロンの持続的な経営には、適切な利益率の確保が欠かせません。競合店よりリーズナブルな価格にすれば一時的に集客できる可能性はありますが、価格が適正でないと事業を継続できなくなってしまいます。また、一旦低い価格に設定すると値上げがしづらくなるのも問題です。
開業時からサービスに自信を持って、しっかり利益を出せる価格を設定しましょう。
売上を安定させるには、メンバーペイなどのプラットフォームを活用して月額やサブスク型のプランを用意する方法も効果的です。
2.ほかのサロンと差別化する
競合のサロンとの差別化も重要です。コンセプトやターゲットに合わせて、自分のサロンにしかない価値は何か、競合店とはどこが違うのかを追求しましょう。事業計画の段階から、どのようなサロンを開きたいのかコンセプトをよく練っておくことが重要です。
3.コンセプト・ターゲットに応じた集客戦略を立てる
集客力の不足も、よく見られる廃業原因の1つです。サロンのコンセプトを踏まえ、ターゲット層に刺さる集客戦略を立てましょう。
特にマンションや自宅など人目につきにくい立地の場合、集客方法に工夫が必要です。SNSの活用も検討してみましょう。
4.自身やスタッフのスキルを磨く
施術や接客の品質が高ければ、リピーターの獲得につながります。自分だけでなくスタッフ全員のサービスの質が重要となるため、スタッフへのコンセプト共有や教育は入念に行いましょう。
また、エステの技術や知識だけでなく、経営者としてのスキルを磨くことも必要です。
エステはオンラインでも開業可能!
サービスの提供方法を工夫すれば、オンラインでもエステサロンを開業できます。例えば、以下のような方法が考えられるでしょう。
- ビデオ通話で肌や体のお悩みにアドバイスする
- 美容グッズをオンライン販売する
- マッサージやダイエットの方法をレクチャーする
オンラインサロンは開業費用を抑えることができ、準備期間も短縮可能です。
ただし、直接の施術や対話ができないなどのデメリットもあります。展開するサービスの特性に合わせて、オンラインサロンも検討してみましょう。また、オンラインサロン開業には、メンバーペイなどのフォーマット活用が便利です。
まとめ
エステサロンの開業には、事業計画作成や資金調達、店舗の契約や工事などの準備が必要です。エステサロンを失敗させないためにも、コンセプトやターゲットを入念に作り込み、利益率をしっかり確保できる経営計画を立てましょう。
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