集金業務の重要性とは？よくある課題や見直すメリット、集金方法の種類などを解説
商品やサービスを提供している場合、必ず集金業務が発生します。昨今は決済方法の選択肢が増え、集金業務も複雑化しました。経理の負担を軽減するには、集金方法の見直しをする必要があります。この記事では、集金業務の課題とともに、見直しのメリットや集金方法の種類などを解説します。
目次
企業にとって集金業務とは？
集金業務とは、企業や事業者が顧客に提供した商品やサービスの料金を回収する業務です。自社の売上を確定させるためには、必ず集金業務に対応しなければなりません。未払いや未回収が発生した場合、キャッシュフローに悪影響をもたらします。よって、確実に集金業務を完了させる仕組みづくりが必要です。
集金と徴収は何が違う？
集金と徴収は、金銭を回収するという点が共通しています。しかし、厳密にはそれぞれ異なる意味をもつ言葉です。集金は、商品やサービスを提供した対価として金銭を回収する場合に使用します。一方、徴収は、金銭を強制的に回収する場合に用いられます。
たとえば、法律の定めに基づく税金には強制力があるため、税金の回収は「徴収」です。商品やサービスの料金の回収は税金のような強制力はないものの、企業は回収する権利をもつため「集金」を行います。
企業が抱える集金の課題とは？
企業は集金についてどのような課題を抱えているのでしょうか。以下で詳しく解説します。
経理担当者の負担が大きい
経理担当者にとって、集金業務の負担は大きいです。たとえば、売掛金と入金額が一致しているかを個別に確認したり、帳簿上に計上する消込作業に対応する必要があります。また、現金払いでは顧客や取引先のもとへ訪問する必要があり、労力や時間が特に多くかかります。企業が商品やサービスの対価をスムーズに集金するには、集金業務の負担を軽減しなければなりません。
催促の手間がかかる
未払いが発生すれば催促が必要です。取引状況を個別に確認したうえで、電話、メール、郵便などの手段を用いて支払いを促さなければなりません。一度の催促で回収できるとは限らず、未払いが解消されるまで催促を繰り返す必要があります。
催促は手間がかかる業務なうえ、他の業務が滞る原因になります。また、未払いの状態では売上を確定できないため、精神的な負担にもなるでしょう。
集金方法の見直しで期待できるメリット
集金方法を見直すと、さまざまなメリットが生じる可能性があります。以下で詳しく解説します。
顧客の利便性が向上する
集金方法が現金のみに限定されている場合は、顧客にとって利便性が低い可能性があります。昨今は集金方法が多様化しており、選択肢は多いほうが顧客にとって便利です。顧客のニーズに合う集金方法を取り入れると、企業と顧客の双方の負担も軽減できます。また、限定的な集金方法が原因で、商品やサービスの利用を見送っていた層にもアプローチが可能です。
集金にかかる手間を軽減できる
現金の回収には多くの手間や労力がかかります。負担を軽減するには、クレジットカード決済や銀行振込などの導入が効果的です。集金業務に課題を感じている場合、集金方法を見直すだけで課題の解決につながるパターンもあります。
集金方法のメリット・デメリット【現金】
現金による集金方法には、メリットとデメリットの両方があります。以下でそれぞれ解説します。
現金で集金するメリット
現金による集金は、多くの企業や事業者が採用しています。特別な手続きが必要なく、料金を直接回収できます。また、売上をスムーズに現金化でき、キャッシュフローの改善が可能です。手元に現金を残せるというメリットもあります。
現金で集金するデメリット
現金で集金をするには、対面で顧客から現金を受け取る必要があります。よって、集金のために訪問したタイミングで顧客が不在であれば、再び訪問しなければなりません。顧客が遠方にいる場合、交通費のコストが多くかかります。加えて、対面による集金では、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策が困難です。
集金方法のメリット・デメリット【クレジットカード】
企業の集金にはクレジットカードもよく利用されています。ここでは、クレジットカードによる集金のメリット・デメリットを解説します。
クレジットカードで集金するメリット
クレジットカードによる集金なら、番号の入力により決済が完了します。手続きの工数が少なく、安定的に集金が可能です。顧客が番号を登録すればその後は自動決済ができ、集金の手間が省けます。また、クレジットカードを利用して決済するとポイントが貯まるため、顧客にとって特にメリットがあります。
クレジットカードで集金するデメリット
クレジットカードで集金するには、決済手数料の負担が必要です。決済手数料の相場は3.5%～7％程度となっています。売上から決済手数料が引かれるため、事前に考慮して利用しないと、思うような利益を得られない恐れがあります。また、クレジットカード決済は、セキュリティ面のリスクに慎重な顧客から避けられる可能性もあるでしょう。
集金方法のメリット・デメリット【銀行振込】
集金は銀行振込でも可能です。ここでは、銀行振込による集金のメリット・デメリットを解説します。
銀行振込で集金するメリット
銀行振込は、銀行口座があれば誰でも利用できます。銀行だけでなくコンビニのATMからでも振り込めるため便利です。昨今はオンラインで振込手続きができる銀行も増えており、いつでもどこでも支払いができるようになっています。
銀行振込で集金するデメリット
銀行振込で集金をすると、1件ずつ確認が必要です。集金の件数が多ければ、入金の確認に手間と時間がかかります。また、顧客も支払いが発生するたびに振込手続きをする必要があり、振り込みを忘れたりミスをしたりする可能性があります。催促が必要になるケースも少なくありません。
また、振り込みに限度額が設定されているATMもあります。高額の支払いについては窓口で手続きする必要があり、手間がかかります。
集金方法のメリット・デメリット【口座振替】
口座振替による集金を採用している企業もあります。ここでは、口座振替のメリット・デメリットを解説します。
口座振替で集金するメリット
口座振替なら、事前に口座情報を登録してもらうと自動で集金できます。未払いのリスクを軽減でき、継続的な利用に繋がる可能性が高いです。また、口座振替の管理画面があるため、入金の確認もスムーズに行えます。
口座振替で集金するデメリット
口座振替を実施するには、事前の登録に手間がかかります。登録内容に不備があれば手続きに時間がかかるため、登録が済む前に顧客が諦める可能性もあります。また、口座振替の申請をしても金融機関で受理されるまでには時間がかかるため、実際に口座振替による引き落としが開始されるタイミングは少し後になります。
集金方法のメリット・デメリット【コンビニ決済】
コンビニ決済も利用者が多い集金方法です。コンビニ決済のメリット・デメリットを解説します。
コンビニ決済で集金するメリット
コンビニ決済なら、最寄りのコンビニで顧客が気軽に料金を支払えます。24時間営業のコンビニが多いため、いつでも支払いが可能です。コンビニ決済なら、クレジットカードや銀行口座をもっていない人でも利用できます。また、企業は顧客のクレジットカードの番号や口座情報を管理する必要がなく、セキュリティリスクも低めです。
コンビニ決済で集金するデメリット
コンビニ決済の場合、顧客自身の都合で入金が行われるため、集金に時間がかかる恐れがあります。未払いやキャンセルが発生するケースも少なくありません。また、払込票方式または振込用番号方式があり、それぞれ手続きの方法に違いがあります。コンビニによっても手続きの流れが異なるため、顧客にとって不便な面もあります。
集金を効率的に実施するために
集金を効率化するには、どうすればよいのでしょうか。以下でポイントを解説します。
現状を把握して集金方法を見直す
まずは自社の集金業務の現状を確認し、どのような課題があるか明らかにしましょう。経理や集金の担当者にヒアリングを実施し、現場のリアルな意見を把握することが大切です。課題の内容をもとに集金方法について考え、必要に応じて見直しを行ってください。状況によっては、決済方法の追加についても検討が必要です。
オンライン決済サービスを活用する
オンライン決済サービスとは、顧客からの支払いを受け取りたい事業者と、クレジットカード会社などの金融機関を仲介するサービスです。さまざまな支払方法を選択できます。集金状況や入金金額の確認も簡単なため、集金業務の負担の軽減を期待できます。催促メールの送信や支払いのリマインダー設定などの機能を備えている場合もあり、未回収への対策も万全です。
また、オンライン決済サービスのなかでも、メンバーペイがおすすめです。サブスクリプションサービスの販売ページの作成から、会費の自動更新決済にも対応しており、便利に活用できます。
まとめ
企業が商品やサービスの対価を回収するには、集金業務が必須です。しかし、従来の集金業務には手間や時間が多くかかり、担当者の負担は大きくなりがちです。現在はさまざまな集金方法があるため、現状を見直して新たな決済の手段も取り入れましょう。
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